2020年8月2日(日)

▼むざむざ、という言葉が脳裏を走る。7月の感染者が55人に上り、緊急事態宣言解除までの45人を楽々越えた。誰もが第2波を感じていたが、ついに鈴木英敬知事も「間違いなく第2波だ」

▼「感染者数だけを見れば」の前置き付きだから渋々、いや、認めていないのかもしれない。愛知県の大村秀章知事は「エリアを限定して規制、制限をお願いせざるを得ない」、岐阜県は非常事態宣言を出した。新政策を一番に選択することにこだわる鈴木知事としては、周回遅れとなったかの認識に追従するのは抵抗があろう

▼「大変に強い警戒感」を口にしながら、対策としては名古屋市との往来を「避けてほしい」と求めただけ。県の「モニタリング指標」が全項目で上回り、ついに感染者が100人の大台を突破しても、それらを想定した対策は決めていなかったということでもあろう

▼知事は31日「症状が出ているのに勤務しているケースも」と。感染者を明示しない中途半端な公表は県民の疑心暗鬼を高める。〝感染経路不明〟の津市の女性は、唯一勤務先などの言及もなかったが同日、うわさは乱れ飛んでいた。非公表は、それらすべてが〝真実〟とされる懸念が残る

▼名古屋の大学に通う学生が健康診断を求めた津市の総合病院で、名古屋の大学名を告げた途端断られ、退去を指示された。県外ナンバーの車を蹴るなどした熊野市民の心情に近いかも知れない

▼医師らで構成する県の感染症対策協議会は退院に医師判断でPCR検査を実施することを提案し、賛同された。さもありなん。反対する理由はない。