2020年5月22日(金)

▼平成21年のG7財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見に中川昭一財務相(当時、故人)が泥酔状態で臨んだことは当初、日本のメディアは無視か小話程度の報道で、問題視する欧米の報道を受けて一面トップに格上げされた。お気に入りの全国紙女性記者らとの飲食が原因とされ、各報道機関は自社の記者の参加の有無を問い合わせ、それによって報道にも濃淡が出たとされる

▼話題の人、東京高検の黒川弘務検事長が緊急事態宣言の中、産経新聞記者自宅で元検察担当記者の朝日新聞社員とマージャンをして産経記者の用意したハイヤーで帰宅したと週刊文春に報じられた。各報道機関は自社記者が参加していないかどうか、確認を迫られたのではないか

▼業界の会合で一方が主張すれば必ずもう一方が反論する。そんな関係を見慣れていただけに両社記者が高検検事長を挟んで仲良くマージャンしていたというのは驚きだった。呉越同舟ということか。外出自粛の中の倫理規範違反に賭博罪も加わっても懲戒処分にならずに訓告。検察も処分はとっくに一般公務員並みということだろう

▼それはそれとして、昔は県議や県職員らとよくマージャンをした。人間関係を築くためだが、県ではマージャン自体廃れたが中央では活用されているらしい。黒川検事長の定年延長をどこよりも追及してきた朝日が、同検事長辞任が秒読みになった21日の朝刊は青菜に塩の紙面だった

▼癒着まがいの関係から情報を得るのは検察のリークが一部に特ダネをもたらしたことで激しくなった取材手法だが、なかなか断ち切れまい。