2020年2月22日(土)

▼「農福連携全国都道府県ネットワーク」の会長に鈴木英敬知事が就任したころ、障害者を労働力とは思わないと語っていた知事も変わったという趣旨で書いたら、県秘書課から厳重抗議がきた

▼県庁詰めの同僚を通じての連絡だが大要、知事はそんなことは言っていない。訂正を求める。ホームページの記事も即刻削除されたいという内容だ。「知事にはまだ伝えていないが」との前置きがあったというから、職員の心得としては見事。知事と新聞社と〝全面戦争〟になったら、自らの責任で対処するということだろう

▼記者会見録にはそれに関する文言はない、と断定したという伝言にあわてて会見録を確認したら平成26年9月、ステップアップカフェ「Cotti菜」の名称決定に際し「国の労働者不足を障害者で補う考え方は基本的にない」と否定している

▼働きたい、自立たいという障害者の希望をかなえ、「特に」として家族の不安の解消をあげた。なるほど労働力というより、福祉の考え方に近い。賃金の額にも関心の薄いことも前後の会見で読み取れた。県秘書課も「障害者雇用」で会見録を検索し、「Cotti菜」は除外したのだろう

▼そう伝えたら、その後ウンでもスンでもない。ステップアップカフェも運営者が代わり「Cotti菜」は移動するらしい。鈴木知事は「障害者雇用に対する意識の醸成に貢献いただいた」とねぎらい、「新たな運営事業者と共に、障害者雇用のモデルとなるよう取り組む」。知事の意識の醸成にも大きく貢献したようだと言ったら、秘書課がまた何か言ってくるか。