2020年2月20日(木)

▼複数の地方自治体が一つの目的を遂行するために設立する一般事務組合の議会は、特別の場合を除き普通の地方自治体の規定を準用すると法に定められている。名張市と伊賀市がつくる伊賀南部環境衛生組合議会は一般質問が実施されたことがなく、今回初めてという。異次元の世界に迷い込んだ心地がする

▼議会の規則は「議長の許可を得た場合に一般質問ができる」と定められている。発言することへの許可の規定のようだが、議長に申し込むと、全員協議会などでの質問を提案された。一般質問をするかどうかの権限が議長にあるということか

▼全協では議事録が残らない。表沙汰になることを嫌ったか、一般質問に関する申し合わせも存在しないというから手続きの煩雑に腰が引けたか。いずれにしろ、地方自治体と同様の機能が負託されているはずの議会がその機能を果たしているとは言えまい

▼議会は定期的に開かれている。議案が上程され、提案説明があり、質疑、討論を経て採決となる。何の変哲もなさそうだが、質疑は1人3回までと申し合わされている。答弁に食い下がる余裕はない。それまで大過なく過ぎてきたのだろう。一昨年、火災やごみ汚水ピットへの転落事故、委託業者の日報書き換えなど不祥事が発覚し、議会のあり方も問われることになった

▼日報書き換えは相当以前から繰り返されていたという。にもかかわらず、議会は30年度決算を一度の継続もなく認定した。そういう議会だから、長年見過ごされてきたと言われても仕方あるまい。むろん、議会だけの問題で済ますことでもない。