2019年12月27日(金)

▼知事が選ぶ今年の一字などは、明るい側面が必要なのだろう。イノシシ年であり、そのイノシシに脅かされた一年だったが、鈴木英敬知事が選んだのは「感」。上皇上皇后陛下に対する感謝や天皇皇后両陛下の姿に感動したからだという

▼豚コレラなどへの緊張感とも結びつけたのは、なかなか。かつて予算の語呂合わせについて得意ではないと語ったが、文字遊びの能力もすっかり自家薬籠中の物にしたということだろう

▼新名神高速道路の県内開通効果への実感や、自身の3選に対する感謝も込めるなど万事に、そつがない。3選についても「初心を忘れないようにやってきた。災害やCSFもあったが、政策集に書いたことが来年度予算などにも盛り込まれている。スムーズな滑り出しだ」

▼国が名称を変えたばかりのCSF(豚コレラ)も、何の違和感もなく使っているようだ。人に感染するコレラと紛らわしく、風評被害が予想されることでの変更で、かつての狂牛病が牛海綿状脳症(略称BSE)へ変更した時の理由と同じだが、日本名を同時に発表した時と違い、CSFは法律名として使えない新たに「豚熱」が追加される

▼狂牛病よりさらに後追いとなった国の対応を物語るが、鈴木知事はどれを使うか。いずれにしろ県養豚農家を恐怖に追いやった豚コレラを使うことはないだろう。国の言い分に理解を示したということでもあろう。県民に戸惑いはないかは問題でないのかもしれない

▼松阪港沖での日米合同訓練に知事はオスプレイと同様、安全確保と情報の収集を強調した。オスプレイは反発する伊勢市との温度差が指摘されたが、松阪市とはどうか。県民感覚とは食い違う気もする。