2019年12月26日(木)

▼盗んだクレジットカードで買い物をして詐欺と窃盗罪に問われ元川越町職員は法廷で「最初は一回ぐらいばれないだろうと」。公務員流行語大賞があったら推薦したくならないか

▼万引を繰り返して逮捕された県立高教員が、過去の万引を報告していなかったことについて「言わなければばれないと思った」。繰り返したことについては「これぐらいなら分からないと」。出張旅費不正受給校長も「これぐらいなら良いと思った」。公序良俗を呼びかける側に、倫理観の欠如がまん延していることを実感させる

▼「子いわく、その身正しければ令せずして行わる。その身正しからざれば、令すといえども従われず」(論語)だ。森友学園問題で「私と妻が関わっていたら総理大臣も国会議員も辞める」と言ったのは安倍晋三首相。高い倫理観の発露であり、その後の経緯はどんどん下降していったことに異論はあるまい。桜を見る会では〝ごめん〟というだけ

▼財務事務次官のセクハラ問題では、元首相の麻生太郎副総理・財務相が「セクハラ罪はない」。上に立つ者の「身が正しくなければ命令しても(国民には)従われないだろう」が先の論語の口語訳。意識低下は、官僚トップから地方公務員へ、ひたひたと浸透してくることを予言していると言えなくもない

▼コンプライアンス(法令順守)を議会に問われ、県は職場の風通しのよさ、コミュニケーション活性化、組織風土の改革、業務推進の抜本的見直し―。抽象的言葉を羅列し「チーム(一丸など)」を連呼した。こちらも流行語大賞を意識してのことに違いない。