2019年12月4日(水)

▼名称を変更することになった特別支援学級・学校の児童生徒に配布してきた冊子「パーソナルカルテ」。井村正勝・元教育委員長が聞いたら何と言ったか

▼県の「障害」の表記を「障がい」に改めた〝仕掛け人〟である。我が子が「害人」と呼ばれ、いじめられるという女性教育委員の話で、ひらがな表記の検討を事務局に指示した。国、県は漢字表記。行政文書が不統一になる。そう言ったら「教育委員会の中だけは『害』の字は使わない。それでいいじゃないか」

▼「本当は『障』の字も含め、障害という文字がよくないが、別の言い方を考えつかない」とも言った。教育委員退任後三年の平成24年、県教委は「パーソナルカルテ」、日本語訳「個人病症録」の名で冊子を作成したことになる

▼行政文書表記の不統一について、事務局に聞いたことがある。どう答えたかの記憶はないが、同問題を抱えながらひらがな表記にすることについては「教育委員から指示された中で可能なことであれば実施するのが職務」。漢字表記の弊害を考えて改めたわけではないのである

▼「パーソナルカルテ」の名称は「病院をイメージさせる」との保護者の意見で変更することにしたという。「変えるのはどうか」の市町の指摘も紹介し「一般的な名称に変更することにした」。足して二で割るように「支援情報ファイル」名にするらしい

▼「カルテ」名で児童生徒がどんな思いをするか考えてではない。しゃれた名とでも思っているのかもしれない。「支援情報ファイル」の名も「一般的な名称」というだけで決めたに違いない。