2019年9月2日(月)

▼ローソン社員が9年間で4億3千万円横領。年間5千万円弱はこの種の犯罪としては大きいのかどうか。「ちょっとずつ残高を書き換えていたらいつの間にか膨らんで」というのは何1千万円かを横領した県内JAの経理職員の話だ

▼業務委託していた取引先と共謀するという手口も珍しくはない。県のかつての裏金づくりの代表的な方法の一つ、架空工事も、出入り業者を巻き込む手口だった。架空の工事を業者に発注して、振り込んだ代金から税金分を差し引いて環流させる

▼職員に業者リストをつくらせ県議が公表したが、当時の知事が議会で中止を約束して収束したため、何に使ったかなどの詳細はうやむやに終わった

▼特定の業者と県職員との癒着関係は今では想像もできないほど一体だったが、完全に消滅したかどうかは明確ではない。例えば、とこわか国体・大会に向けての選手強化策である。昭和50年の三重国体は有力選手を大量採用し、後年の定期採用を中止するなど長く問題を引きずった

▼今回は職員の採用は最小限とし、県内企業を中心に有力選手の採用を要請する作戦。適当な仕事がないと渋る企業に、いや東京を拠点に練習するから仕事は必要ない、給料と保険など社会保障関係を保証してくれればいいと説得。企業への押しつけ、借りをつくる姿を冷ややかに見る関係者も少なくない

▼柔道・世界選手権銀の原沢久喜選手を鈴木英敬知事が祝福。東京五輪へ向け日本中央競馬会を退職し3年間の嘱託社員契約を百五銀行と結んだためだが、とこわか国体・大会へのモデルを見る思いかもしれない。