2019年8月15日(木)

▼解散した県議会3会派の5月分の政務活動費収支報告書が公開され、交付額は計30万6千円の約91・2%が使われず返還された。県の財源難や議員定数問題で膨らむ経費の穴埋め策として削減されてきた政活費だが、政策調査研究活動などに支給された費用が使われないで返却されることに一概に喜んでいいものかどうか

▼3会派のうち旧鷹山はこれまでも全額返上し、奥野英介県議は議員分も辞退している。90%を超える返還額はその影響が大きいが、30年度分も約13%に当たる1942万円余が使い切らずに返還された。会派別では一人会派の大志と草の根運動いがが全額使い切り、2人会派の公明が73・3%返還して、比率的にはトップ。大会派の新政みえが8・4%、自民党県議団3・3%で、高低激しい

▼政活費は平成12年の地方自治法改正で制度化され、24年の法改正までは政治調査費と呼ばれた。自由な政治活動を支えるのが目的で、使途の報告などへの制約は緩く、県でももっぱら〝第2の財布〟などと陰口を利かれてきたが、26年の兵庫県議の不正使用発覚に伴う号泣会見で全国的に疑惑が拡散。国民の目が厳しくなった

▼県議会は先行的に改革し、20年からは全ての領収書等の写しを収支報告書に添付することを義務づけている。返還率がその厳格化とどう関係するかはともかく、県議選後のスタート月である5月分が異常に高いことは政治活動のあり方にも疑問がもたれることにならないか

▼各会派、議員でばらばらというのではなく統一した見解が政務活動費に必要ではないか。