2019年8月2日(金)

▼全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が過去最も良い成績で、知事と教育長がそれぞれ「頑張りが成果」「指導きめ細かに」の話が掲載されていた。求められて出したまでだろうが、二人そろってのコメントと言えば障害者雇用水増し以来、などと連想しては話がまた暗くなる。まずはめでたい

▼最下位のころ、活動も目的も学習とは関係のない教職員の団体が課題の中に「児童生徒にも保護者にも申し訳ない」など記述していた。そういう大方が真面目な教職員が知事の提唱した学力向上県民運動の中核となり、学力テスト、みえスタディ・チェック、ワークシート(三点セット)の分析にまい進した違いない

▼ローマは一日にしてならず。県教委の学力向上緊急対策チームは平成27年度「(学テ)結果の危機意識が低い」「学習指導要領に基づく授業実践が不十分」「校長のリーダーシップ促進」「指導主事等支援の検討」などを課題としていた

▼報道などによると県教委は三点セットの分析の徹底、少人数の習熟度別授業、放課後補習などを奏功理由にあげている。鈴木英敬知事の言う「何事にも最後まで取り組もうとする子どもたちの粘り強さや頑張り」、廣田恵子教育長の「授業改善子ども一人一人の状況に応じたきめ細かな指導」ということになるのだろう

▼学校・地域間の競争過熱といういつか来た道をたどっていないか。知事はテレビやネット利用率の高さを指摘していたがその後どうか。教職員の相次ぐ不祥事との関係は―などは久々の朗報の今言うべきことではないか。恐縮に堪えない。