2019年7月8日(月)

▼コンビニのセブン―イレブンがスマートフォン決済開始翌日に不正使用の攻撃でサービス停止に追い込まれた。トップが記者会見で「安全面に問題なかった」と断言する半面、基本的な安全対策の「二段階認証」について会場の記者の説明を受けた。無責任時代であり、IT知識の二極分化を象徴する

▼犯人らの拠点は中国とされる。開始早々、どうして欠陥が探知できたか。サイバー攻撃の恐ろしさを改めて実感させられる。仮想通貨が580億円も流失して度肝を抜かれたのが遠い過去に思える。その後も盗難事件が続くが、衝撃は、あの時ほどではない

▼コンピューター時代到来以来、悪用や単純ミスの巨額被害事件は相次いだ。安全管理の専門家も続々誕生したが、安全対策と悪用は永遠にいたちごっこだと聞かされた。最近の専門家との会合でも、これが完全に否定されることはない。ソフトバンクとヤフーなどの決済サービスで不正利用が相次いだのは昨年12月。手口も進化してきたか

▼横浜市の自動運転列車が逆走し、夢の新交通システムに冷水を浴びせた。想定速度以下だったため自動停止装置が機能しなかったという。県が離島間交通などで期待する「空飛ぶクルマ」は大丈夫か

▼車の自動運転は実現しない、その証拠に手がけているのかIT企業ばかりで車メーカーは冷静だ―という話を県内金融機関大手の幹部から聞いたのは4、5年前。最近は出遅れを取り戻そうとする車メーカーの話が続く

▼見通しが甘かったか、そうしなければ生き残れない社会に追い立てられたか。渦中での判定は難しい。