2019年7月2日(火)

▼北川正恭氏が知事に当選したころ、地方改革が国を変えるなどと言われた。東京都、大阪府で青島幸男、横山ノック知事が誕生。高知県の橋本大二郎知事など論客でタレント性のある知事が続々誕生していた

▼国に従うのではなく、政策を提言していくんだと北川知事は繰り返し語った。北川改革は中央官庁も注目し、熱心な問い合わせも受けたとなどと職員も話していた。結果がどういかされたか。国にも県にも、いまやほとんど形跡はない。その20年以上前の田川亮三知事のころも、革新知事の国包囲網などと騒がれたが、こちらも跡形もない

▼参院選の公示なき選挙活動の中で、自民党現職の吉川有美氏の対抗馬とされる芳野正英前県議が、引きこもり全県調査をしないことを例に「国が動かなければ県は動かない」と国政転身への動機を語った。「県の問題はすべて国につながっている。県でできることには限度がある」と言って県議から国会へと転じたのは中川正春衆院議員だった

▼芳野氏の場合は、県の不祥事をつぶさに見つめてきた。障害者の採用条件に自力通勤や介護者なしの職務遂行を掲げていたことについて、県教委は障害者団体などから抗議を受け「採用後にどのような配慮が必要かを確認するために記載していた」として即刻削除を約束した

▼議会から指摘されても一向改める気配がなかったが、国の方針変更であっという間に変わった。鈴木英敬氏が国政を目指したのも経産省を外から変えるため。政治を変えるためみんな国政を目指す。誰も県政へ関心を持たなくなる時代がくるのではないか。