2019年6月27日(木)

▼県の財政悪化の最大の要因の一つ、長良川河口堰事業の反対の歴史は前編と後編がある。後編は環境問題に対する全国的運動だが、前編は県だけの孤独な戦い。地元赤須賀漁協の猛反対の陰で、調整役を放棄し、本体工事着工への同意を拒否し続けた

▼表立って反対できなかったのは、当初全面賛成だったから。重厚長大の工業化で水不足がやってくるという国の水需要計画をうのみにし、愛知県側とし烈な都市用水争奪戦を演じ半々の獲得に成功した

▼時代は軽薄短小へ。国の計画が虚構と気づいた時は遅かった。巨大な後年度負担に色をなして配分見直しを求めたが、国も愛知側も岐阜県も、相手にしてくれない。本体工事を拒んでも、国は周辺工事を次々着工。県の負担がうなぎ登りとなっていく。愛知側への若干の肩代わりで底なし沼の恐怖から逃れた

▼時移り、星変わり―。リニア中央新幹線問題で、鈴木英敬知事はJR東海に反発する川勝平太静岡県知事に「今まで積み上げてきたことにもう少し誠実に」。開業の遅れについては「川勝知事が言っているだけ」(鈴木知事)ということだが、JR東海が「国の介入」を求めている会見をテレビで見た

▼ある時は民間企業だと国の介入を拒み、ある時は介入要請かとおかしかった。「全員のためにならないと寄ってたかって屈服させられ、今度は開門に賛成しろか」と最近の動きに赤須賀漁協組合長が言っていた

▼「地域の思いを守ることはよく理解できる」と川勝知事の立場について鈴木知事。「なんとしても(予定通り)」という鈴木知事の立場もよく分かる。