2019年6月25日(火)

▼英国人は歩きながら考えると言われた。フランス人は考えてから走り出す。スペイン人と日本人は走り終わってから考える、というのが子どものころ聞いた話で、太平洋戦争をすぐ思い出して納得した。これを書くためにネットで検索したら、日本人は「走るために走る」。高度成長期モーレツ社員への皮肉か

▼座礁船から乗客を避難させるための呼びかけ―。米国人には「ここで飛び込めばあなたはヒーローだ」。ドイツ人には「飛び込むのがルール」。日本人には「みんな飛び込みましたよ」。ジョークには差別感が色濃く漂う

▼韓国人は怒りがたちまち燃え上がるが、ある時点で急速に冷え込む。そのスイッチの所在を探るのが課題、という趣旨の全国紙の特派員電を読んだ。国民性ジョークに焼き直しできそうだと笑みがこぼれたが、作品によっては大問題になるかもしれない

▼関西テレビのバラエティー番組で、コメンテーターの作家が韓国人気質を問われ「手首切るブスというふうに考えておけば、だいたい片付く」と答えた。出演者らは大笑いだったのは条件反射なのだろうが、視聴者から「差別発言だ」という抗議が殺到した。同テレビは差別的意図はないが「視聴者への配慮が足り」ず、放送の判断は誤りだったと謝罪した

▼何に対しての謝罪なのか。その気もないのに死ぬ、死ぬと言って自分の思いを遂げようとするのが韓国人気質だという発言趣旨に対してか、手首を切るブスという言葉がそのまま当てはまるとされる女性に対してか。少なくても関西テレビは、前者とは思ってもいないようではある。