2019年5月14日(火)

▼「県民の声」での指摘と県の回答とのすれ違いぶりを先に紹介したが、県職員同士だったらどうなるか。平成26年12月から15カ月間で計33回、研修を受講するとうそをついて出張旅費などを不正に受け取った出先機関(伊勢市)所属の主幹(課長補佐級)は「上司が受講をマネジメントしてくれないから」

▼研修や出張が好きなのに出番がなく「他課の職員がうらやましく」「県外出張がないことに不満があった」という。研修現場(津市)までは行ったので「旅費は請求してもいいかと」とも。これに対し上司は「急に研修が増えたが、以前から県外出張を希望していたので、その代わりと思っていた」

▼希望に応えなかったことについては「主幹であり、もっと自立してほしい」。直帰などの連絡は一切なく、受講報告書も提出されなかったが「一度口頭で説明があり、不自然と思わなかった」

▼3月にまとめた「不適切な事務処理及び不祥事の再発防止に向けて」の事例分析に基づくが、別に関係機関の研修を業務として受講した職員がほとんど受講せず、研修修了書も受け取りにこなかったことがある。「県も(身内には)アバウトなもんですな」と意見交換会で言われて「えっ」と言って職員名を聞いていた

▼主幹は免職処分になったから非常識ぶりが強調されているが、庁内ではそれほどでもなく通用しているのかもしれない。再発防止のタイトルは「不適切な事務処理及び不祥事―」。「不正事務処理」は「不祥事」に分類されるのか、それとも「不適切な事務処理」か。県民との認識の差は続く。