2019年4月10日(水)

▼激闘から一夜明けたばかりだからだろう。県議選を振り返る各党代表者らの表情は、ぶぜんから破顔まで、戦いの結末が一目瞭然。語るは、新しい議会構成での勢いの行方。県政への課題に触れる余裕はない

▼「自公で鈴木県政を支える過半数に達することができると期待している」と中川康洋・公明党県本部代表。議会と執行部は車の両輪で、議会基本条例は「(知事等と常に)緊張ある関係を保ち、独立・対等の立場」とするが、前輪と後輪もありなのかと思わせる

▼投票率が昭和22年の第一回以来最低という結果に危機感が訪れるのはもう少し先か。それまでの時間が長ければ長いほど、県民との遊離が際立つことになるのかもしれない。基本条例は「県民の意向を議会活動に反映」「県民の参画する機会の確保」をうたう。そう努めてきたに違いないが、県民に伝わっていれば投票率は違った数値になっていなかったか

▼平成18年制定の同条例は議会改革の一環で「全国の都道府県では初」と誇る。そのころは議会改革先進県とされたが、このところはいずこも同じ、定数削減と報酬カットが改革であるかのように議論される。削減するほど改革というならゼロに近づくほどいいことになり、議会否定にもなる。一度決めた定数を実施もせずに元に戻して決定力に疑問を抱かせ、県民にそう思われたのかもしれない

▼首長選にくら替え出馬して敗れた3人が各選挙区でそろってトップ当選。広く支持を求める首長選と一定の支持者を固める議員選との違いか。遠くなりつつある県議会の距離を思わせなくもない。