<みえの平成史>まつり博(平成6年) 伊勢志摩に351万人、観光インフラ整う

【まつり博会場内の伊勢市朝熊町鴨谷に建設された遊園地「ミポランド」(県の公式記録集より)】

三重県伊勢市で平成6年7月22日―11月6日まで、世界祝祭博覧会(まつり博)が開かれ、108日間で全国から約351万人が来場した。開催に合わせて建設された県営サンアリーナや伊勢二見鳥羽ラインは今なお伊勢志摩の観光を支えている。

当時は全国的に地方博覧会ブーム。田川亮三知事を旗振り役に計画が進み、県内の政財界などで立ち上げた世界祝祭博覧会協会が総事業費約144億円をかけて約40ヘクタールの敷地でまつり博を開催した。

内覧会には皇太子さま、7月22日の開幕式には秋篠宮さまを迎え、盛大に始まった。開幕後は、69市町村が地元の祭りを披露し、国内外の祭りも登場。企業や自治体のパビリオンが立ち並んだ。

開幕当初、暑さで客足は伸び悩んだ。来場者数の目標300万人を達成するため、関西や東海地方でCMを流しててこ入れ。秋が深まるにつれて徐々に客足が伸び、結果的に来場者は目標を大幅に上回った。

唯一営業を休んだのは9月29日。台風26号の影響でパビリオンなどが壊れたためだ。最終日の11月6日は雨天にもかかわらず、約6万人が来場。故・西城秀樹さんらがフィナーレに華を添えた。

伊勢志摩地域のインフラが整った時期で、平成の終わりに差し掛かった今でも使われている。サンアリーナは平成29年のお伊勢さん菓子博でも主会場に。有料道路だった伊勢二見鳥羽ラインは同年に無料化された。