2018年11月18日(日)

▼県議会「十大ニュース」の候補を発表した前田剛志議長が、高校への出前講座で議員定数を巡って一方的な発言をした問題が入っていないことを報道陣に問われ「意図的に選んでいないわけではない」。どこかで聞いた覚えのあると感じる読者も少なくないのではないか

▼人によっては県教委の障害者雇用率の水増し問題で、廣田恵子県教育長が発した「意図的ではない」の言葉を思い浮かべたかもしれない。忘れっぽい筆者はつい半月ほど前の定期監査報告書を巡る代表監査委員と議会とのやり取りを連想した。選んでいない理由を問われたのが似ている気がしたのだ

▼問われた前田議長は「特に県民との関わりが深い取り組みに絞った」「議会全体としての活動を中心に選んでいる」と答えた。代表監査委員は「契約満了で見直されることは評価しており、報告書では言及していない」。選定するかどうかの価値基準が、問う側と問われる側で、大きく異なっているということだろう

▼前田議長はまた、出前講座要領の見直しが、正式には決定していないことも理由に挙げた。広聴広報会議で前野和美座長(副議長)は要領を見直したことを報告していたが、そうではないということか。代表監査委員も、「誰の利益を守ろうとしているのか」と議会から適格性を疑われ「意見は四人の監査委員の合議で決められている」と答え、何人いようが監査委員は合議制ではなく、一人一人の独任制であるという基本の理解度に、疑問を起こさせた

▼前田議長は出前講座問題を候補に追加した。時節柄か、てんやわんやの大騒ぎ―。