大観小観 2018年10月31日(水)

▼県教委の「介助者なしに勤務ができる方」という障害者募集条件の削除を求めた障害者団体に、教職員課長が「撤廃に向けて求人条件の見直しを検討している」

▼数年前、議会が公共交通機関使用、車使用不可の通勤条件とともに削除を求めた時は、当時の山口千代己教育長の答弁とすれ違いだった。障害者を巡る時代の移り変わりを表している、と言えるかどうか

▼障害者雇用率水増しが発覚したのが9月10日。29、30年度分の調査結果で、それ以前は「調査しない」方針が、鈴木英敬知事の指示で一転。廣田教育長は「猛省」(19日記者会見)「重要性の認識に欠けていた」(10月10日議会常任委)と、当初の「重く受け止める」から陳謝の表現をエスカレートさせた

▼反省の思いがそれだけ強いということか。ひたすら腰をを低くして小言が頭の上を通り過ぎるのを待つ気か。この12日に開始した募集案内は、それを占う一つの試金石とも言えたが「介助なし」条件のままだった。それから2週間後の26日、国は「介助なし」条件を障害者団体の不適切という指摘で削除していると報じられた

▼「他省庁を参考」「本省の指示」など、各省庁のコメントは初めて気づいたとの口ぶりだが、県教委も寝耳に水だったに違いない。知っていたが、まさか国がそんなに素早く削除に踏み切るとは―の意味である。またまた慌てて方針転換する姿が透けて見える

▼募集要件は「障害者手帳をお持ちの方に限ります」とも。通達は医師の判断も認めているが、突っ込まれるのは二度と御免という気持ちが表れている。