2018年9月29日(土)

▼連日の謝罪で頭を下げる写真には飽き飽きしている目にも、さすがに衝撃的ではあった。知事が議会本会議で深々と頭を垂れる姿は見たことがない。県を揺るがしたカラ出張問題でも、当時の北川正恭知事の議場での謝罪は言葉でだった

▼「本来チェック機関である議会も監査委員も、みんなグルだったんでしょ」というのが懇談での北川知事発言。いわば〝仲間〟である議会に謝罪なんて、という気があったのかもしれない

▼代表質問では各会派がそろってカラ出張問題を取り上げたが、いずれも迫力があったとは言い難かった。「知らなかった」として、建前と再発防止の強調が目立った

▼時移り、星変わり―。鈴木英敬知事の陳謝を受けて、山本里香議員(共産党)が緊急質問などを求めたが、他の議員らが「なじまない」と退けたという。障害者雇用率の水増しは国、県ともに大きく報じられている事態なのに、25、27日の一般質問では同党を含め誰一人、取り上げなかった。通年議会への移行は突発的事案にも即応できるというのが理由の一つだったが、教職員が多数ルール破りに加担したとされる越境入学問題が発覚した時も本会議での質問はなかった

▼知事の陳謝を受けて緊急質問という側も、「なじまない」という側も、どこまでが建前で、本音か。議会がチェック機能を果たしているのかどうかが分かりにくいのは昔とそう変わらない気はする

▼議会の厳しい姿勢は例え感じないとしても、願わくは職員はこの後も次々と誤りを続発させて、知事の異例の陳謝を色あせさせてしまわないことを祈る。