2018年8月31日(金)

▼夏休みが終わりに近づくと、宿題、宿題と頭の中がいっぱいになっていつも憂うつだったことを思い出す。3日ぐらい前から家族総出、といっても父母とおばの3人だが、手分けして工作や研究に取りかかりる。べそをかきながら始業式の朝方までかかって仕上げることが多く、夏休みの楽しさは吹っ飛ぶ

▼二学期早々の「夏休み作品展示会」は「あれは相当親の手が入っている」などと、見学した母親らは自分を棚に上げて、よその子の作品を品評をしたものである。今は、宿題を肩代わりしてくれる人がいるらしい。ネット上のフリーマーケットやオークションサイトに「宿題代行」として作品を出品する。小説の読書感想文が600円、貝殻を使った工作品が450円。お手頃だ

▼何よりも夏休み終了前3日間の家族の修羅場が解消される。いい時代になったものだが、文部科学省はサイト運営3社と者と出品禁止で合意した。「宿題を代行してもらっては何も身につかない」と同省担当者。体験者としてはうなずくしかない。「対応を進め、自分で取り組む大切さを周知していきたい」。似たようなことを親から何度言われ、自分もその場だけは何度そう思ったことか

▼ためてしまったせいか、夏休みと言いながら、なぜ宿題があんなに多いのだろう。宿題とは授業で学んだことの復習的性格だった気がするが、夏休みの場合、絵日記や工作、自由研究など異質だった。文科省は自分で取り組む大切さを「周知」していくという

▼書き方や研究の仕方も教えていくというのなら、普段の宿題との間で違和感はなくなる。