2018年8月15日(水)

▼文部科学省の事務次官の辞任が不可避の情勢という。汚職事件で逮捕された収賄側の医療コンサルタントから接待を受けていた疑いが浮上したというから当然と言えば当然の話だが、天下りあっせんの関与で前事務次官も辞任している。官僚の服務規範が乱れているご時勢とはいえ、二代続く事務方トップの辞任にはあ然とするしかない

▼県がカラ出張問題で揺れた時、ある外郭団体での会合で、県から参加したメンバーが用意された昼食の弁当を見てはじかれたように立ち上がり、部屋を出て行ったことがある。「昔は公務員は薄給で、昼食の用意は生活救済の意味もあったが」と、別の外郭団体のトップに納っていた県OBが苦笑まじりに語ったものである

▼一体いつの時代からの慣習が続いていたのかと首をかしげしたが、あつものに懲りてナマスを吹くのが公務員というのが印象に残っていたから、文科省の懲りない不祥事には驚くのだが、思えば県教委も県のカラ出張問題後2年間、カラ出張を続けていた。類は友を呼ぶか

▼当時は、珍しく教育畑から教育長が選任されていた。「やはり教育畑はだめだ」の声が上がり、以後平成26年まで、県職員からの起用が続いた。出張の際の宿泊費の実費精算を、県は県職労の反発で断念。若干引き下げはしたが、定額支給を続ける。従来のままでは余録が大き過ぎるということだろう

▼国もやっていることと「手続きが煩雑」という理由づけで公金搾取の抜け道を残した。永田町の常識は世間の非常識と言われる。国、県の常識も民間の非常識、ということでもあろう。