<まる見えリポート>伊勢の魅力「ビームス」が発信 市と人気セレクトショップ連携

【11日からビームスジャパンで販売される伊勢市内19社の商品(市提供)】

三重県伊勢市は衣料品や雑貨を販売する人気セレクトショップ「BEAMS」(東京)と連携し、11日から8月14日まで、都内の新宿店「ビームスジャパン」でイベントを開く。イベントでは、市内の19社が「パーソナル神社」としての神棚や伊勢うどん、地ビールなどを販売する。

イベントは「BEAMS EYE on ISE」。ビームスジャパンは、ビームスが日本の魅力の発信拠点として平成28年4月にオープンした店舗で、地方の特産品を取り扱っている。

イベントでは、市内19の事業者がビームスのバイヤーと協議を重ねて開発した新商品や既存商品の改良品などが並ぶ。都内で伊勢の魅力を発信し、事業者の販路拡大につなげることなどが狙いだ。

市内で神具などの製造販売を手掛ける創業約400年の老舗「俵田屋」は、「パーソナル神社」としてビームスのロゴ入りの神棚を出品する。同社によると、パーソナル神社は、神札の代わりに所有者にとって何か大切な物を納めることを想定している。

同社の神具職人がパーソナル神社を製作。白木の簡易神棚で家庭用の神棚に使われる飾り金具は使っていない。大きさは高さ約30センチ、幅15センチ、奥行6・7センチなどの3種類を用意している。イベントを前に一足先に販売を開始しており、売れ行き好調という。

同社の田中弘紀専務(47)は「ビームスという新しいブランドとして売ることで、これまで神社に縁が無かった人たちに興味を持ってもらえたらうれしい」と話している。

一方、伊勢うどんの製造販売業者「みなみ製麺」は商品のパッケージを改めて販売する。「伊勢うどん」のパッケージを通常の青から、ビームスの企業カラーのオレンジに変えた。このほか、和菓子の老舗「播田屋」の「絲印煎餅」(いといんせんべい)は、ビームス側が「完成されている」と判断したため、従来と変わらず販売する。

19社の一部の商品はビームスのオンラインショップでも取り扱う。イベントの期間中、売り上げ成績が良かった商品は引き続き、ビームスジャパンで販売されるという。

鈴木健一市長は「イベントを通じ、伊勢の商品がどう洗練されていくか期待している。さらなる商品力の向上につなげ、伊勢の魅力を発信してほしい」と期待を寄せている。