2018年6月29日(金)

▼衆院選に立候補した文部省(当時)OBへの応援を県教委次長が県市町村教委教育長会議で要請して反発され、問題になったことがある。「うるさ型が多い教育長会議で要請とは」と県幹部が嘆いた

▼「うるさ型」にもいろいろなタイプがあろうが、志摩市の筒井晋介教育長はどうか。予算審議をしている市議会常任委員会で、市教委提出の予算案について「内容を初めて知った。撤回(中止)する」と言ったというのは「文句をつけずにはいられない性質」などと辞書にある意味の類型に見えなくもない

▼「初めて知った」のはいつのことかということである。常任委の席だとすると、正直ではあるとしても、なかなか「撤回する」とまでは言えない。報告や説明は受けていたのにすっかり忘れてしまっていた可能性について確認する時間が必要だろう。確認し、確信した上での発言に違いなかろうが、それなら事前に対策を打てなかったのか、疑問が残るのである

▼確認されて説明したはずの事務局が説得できなかったというのがいぶかしい。問題となったのは人権教育事業で、幼小中学校の児童生徒に外部講師が講義する内容。事業費60万円は全額県教委出資。そう難しい説明が必要にも思えないし、市費の負担がないのだから事業そのものへの承服に至らなかった結果が「初めて知った」発言になったということか

▼予算計上に取り組んできた職員に迷惑を掛けたと陳謝もしている。何もかも承知の上だとすると発言の意味、効果は削除か凍結かで綱引きがあったという人権教育事業の行方で分かるのかも知れない。