2018年6月2日(土)

▼捜査の中心は県警で、津地検はその後処理、というのが実態の県では気にもしなかったことだが、大阪地検が不起訴処分について理由を説明することはなく、前国税庁長官らを不起訴処分にした森友学園への国有地売却問題で会見を開くなどは極めて異例らしい

▼有印公文書偽造容疑で送検された伊賀市財務部次長の起訴猶予処分(不起訴)はさっぱり訳が分からなかったが、津地検が「公文書偽造罪を認めるに足りる証拠がなかった」とコメントしたのは丁寧な対応だったか

▼森友問題では首相夫人や政治家への言及が削除され、行政が大きくゆがめられた疑惑が消えないが、大阪地検は契約金額など本質部分は失われておらず虚偽公文書作成にあたらないと判断した。「遊び心」で原付免許証に「中型」と書いた紙を貼り付けて運転したところで、公文書偽造罪などとてもとてもということだろう

▼8億円も契約金額が安くなっても失われない「本質部分」とは何か。談合罪など成立しなくはならないか。粗雑なコピーで遊び半分で使用しても、通貨偽造罪を構成する。車の運転などは、それに比べたら微罪だから、ということかもしれない

▼検察が正義の味方だなどと考える向きは今はもういないだろうが、不起訴処分のうち、嫌疑不十分は「証拠不十分のため」で、起訴猶予は「犯罪事実は認められるが情状を考慮して」。起訴猶予処分にして「証拠不十分」とコメントする津地検は、そんな法解釈の緻密さも今や持ち合わせていないのだろう

▼単に有罪率を維持できるかで起訴、不起訴を分けているのかもしれない。