2018年5月22日(火)

▼ふるさと納税の返礼品に伊賀米をあげている和歌山県北山村に本紙が理由を問い合わせると「和歌山の飛び地で三重との縁が深い」(まる見えリポート)

▼松阪牛を扱っている群馬県明和町は同名の縁で県明和町と連携協定していることをあげ、大阪府和泉市は「松阪牛を扱う百貨店と連携協定を結んでいる」。ともに見直す予定というから、内心冷や汗をかいていたのかもしれない。北山村にその気配がないらしいのは、背に腹は代えられぬということか

▼返礼品競争は激化の一途というのは、津市の〝変身〟を見ても分かる。一昨年7月、市民への返礼品贈呈や「三重テラス商品引換券」を取りやめ、「魅力的」なる返礼品をそろえて「(寄付は)増える」と自信をのぞかせたが、寄付額は減少した上、他自治体へ差し引き2億円近く流出して積極姿勢に転じた

▼「本当は『感謝の品なし』が一番きれいな形」など、いわゆる〝きれいごと〟を言うだけで特段見るべき増収努力をせず、あげく惨敗に驚いて返礼品競争に参入していくというのが、競争激化の一般的パターンなのだろう。ふるさと納税の在り方などを探った「ふるさと納税近畿サミットin県南部」で玉城町の担当者が「金額や件数を増やすだけではなく、地域が活性化するように使うべき」

▼日帰りのツアーなど地域活性化事業への参加を募る作戦らしい。志摩市の「企業版ふるさと納税」もそうか。寄付文化などないこの国で、自治体が考えるアイデアに人気が集まるかどうか。NPO法人など多彩な活動を取り込んでこそ地域間競争で優位にたてよう。