2018年5月21日(月)

▼第一会派から議長、第二会派から副議長を選出するという県議会の慣例は、むろん第一会派が議会運営に責任を持ち、第二会派がそれに協力するという前提で成り立っていよう。が、お粗末な手際だった

▼責任会派の新政みえが議員定数を改選前は45に、改選後は51に先導したのだから全体が混乱するのは無理もない。正副委員長案やら委員長案、意見募集など打つ手がことごとく不発。あげくに条例改正案提出という「好ましくないやり方」でねじ伏せた

▼それだけに修復には水際だった手際が求められるが、正副議長選は大量の無効票を出した。平成に入って2番目とはいえ、一番目は新会派結成など、議長選を巡る会派間の真っ向対決の結果。今回のように誰が無効票を投じたか、疑心暗鬼になるものではない

▼特に定数増に反対した副議長への6票は、代表者会議の枠拡大への消極的姿勢に少数会派が反発したとされるが、それにしては数が多い気がする。前田剛志議長は所信説明会で選挙区調査特別委での発言がなかったことを問われ「会派の意向もあって複雑な思いだった」。会派の統制が行き届いていると言えるかどうか

▼前田議長が県民理解の方策として提案した定数のあり方を議論する第三者機関だが、前野和美副議長から早くも疑義が出ていた。議会を県民の身近な存在にアピールする特別委は先送り。信任投票の形は整えた正副議長選だが内部に渦巻く不信のマグマを垣間見せた

▼人は見たいものを見る。地位安泰より県民ファーストの姿勢は理解されている―の自信は失っていないのかもしれぬ。