2018年4月26日(木)

▼伊勢志摩サミット関連イベントで前年度は過去最高だったから―と、県は首都圏営業拠点「三重テラス」の平成29年度の来館者数と売上高が昨年度、平成25年9月のオープン以降初めて前年度比減になった理由にあげた

▼日本橋周辺の再開発効果も薄れてきて、とは言わなかったらしい。来館者目標は前年度比6万8千人少ない60万人で、そちらは見事達成したというから、前年度比減は織り込み済み。増加なんて思いもよらず。考えも、従ってトライもしていませんよということだろう

▼三重テラスサポート会員数、メディア掲載件数、販路拡大などの目標も達成したというのも、いかにも県らしい。実利に役に立たなくても、机上でできそうなことはそつなくこなしている

▼来館者を増やす気はないのだから鈴木英敬知事が減ったことは「やむなしではない」と言うのもおかしな話だが、「メディアで取り上げてもらったことを、うまく生かし切れなかったことは否めない」というのは、県らしさをうまくついてはいる

▼総合博物館は来館者数が落ち込んだ3年前「私の意図とずれている。大変遺憾だし残念。努力不足は間違いない」と怒りをあらわにしたが、三重テラスは来年度目標も減った実績数よりさらに約5万人少ない61万人。実績より低い目標設定は東芝社員ならずともうらやましがられるに違いない

▼これを「伊勢志摩サミット効果の一過性」を後押ししていると呼ばずして何と言うか。より高い目標を設定し、諦めず達成していく―は県の重点施策「スポーツイヤー」に限定された話のようだ。