2018年3月3日(土)

▼県の新年度当初予算を解説した「ポイント」では、部活動に外部指導者を招く「みえ子どもの元気アップ運動部活動充実事業」について「指導体制を充実して、教員の負担軽減を図るため」と書いている。指導体制の改革ということだろう

▼そのために策定する「部活動ガイドライン」について、県議会で奥野英介議員が「子どもたちのための部活動であることが最も大切な方向性」とただしたのに対し、廣田恵子教育長は「子どもの健全な成長と教員の働き方見直しという両面から協議している」。二兎を追いますということらしい

▼「子どもの健全な成長」と「教員の働き方見直し」が同列に論じるべきものか。ガイドラインの中間案に「生徒の健全な成長と教員の働き方の見直しからみた現状と課題」という項目はあるが、続いて「適切な部活動の運営をめざした指導の在り方」。すなわち教員の働き方が書かれておしまい。働き方の見直しをするために、生徒の健全な成長というより、それを阻害する部活動の問題点を各種資料から抽出し、対応を示したというだけではないのか

▼「体罰等の行き過ぎた指導の根絶」というのも、体罰を「指導の行き過ぎ」ととらえているようで感心しない。「厳しい指導」として正当化することを否定しているが、厳しい指導自体はどうか。「厳しい指導」が体罰だけでなくパワハラ、セクハラと結びついている危険についてガイドラインは触れていないし、生徒の独自性への記述もない

▼「部活動ガイドライン」は「子どもたちのため」だけ策定するのが、その名称にふさわしい。