2018年2月26日(月)

▼「恥の多い生涯を送って来ました」は、太宰治の自伝的小説とされる『人間失格』の一節。その本旨は知らぬが、大なり小なり人は思い当たるのではないか。仕事柄と性格上、恥は太宰に劣るまい

▼半年ほど前「四日市市民病院」と書いて「市立四日市病院」だと抗議を受けた。次からお気をつけくださいという内容だが、四日市市役所の記者クラブを通じての連絡だったため同クラブからのお叱りも添えられていて恐縮した

▼その後も「津体育協会」と書いてしまい「5年前に津スポーツ協会に名称を変更しています」。「ついでの折りに正式名で」と言われ、1カ月ほど後、正式名で書いた

▼誤りはすぐ訂正することにしているが「次から」と言われると難しい。書く機会がなかなか訪れないことが少なくないからだ。さらに悩ましいのは、かなり後に指摘されたり、気づいた時。恥ずかしい気持ちがいつまでも残り、関連の話題に登るたびに古傷が痛む

▼県は電子メールの誤送信や公文書の紛失など、相次ぐ事務処理ミスをなくそうと、事例と対策を盛り込んだハンドブックを作成して職員に配るが、外部への公開はしないらしい。何しろ、事務手続きの誤りで入札中止になったのでさえ28年度は121件。200件を超えたこともあり、事務処理ミスは推して知るべし。恥ずかしくて外部に知らせる気にはなれまい

▼「不適切な事務処理」が対象というが、旅費が目的外流用でふくれあがったことがある。「不正ではなく、不適切な事務処理」と言い続けていた。単に恥ずかしいだけのことでもないかもしれない。