2018年1月8日(月)

▼デンソー女子陸上長距離部の堀誠部長が、第二のキャリアを考える上でも「周りに応援される人になるよう、人としての魅力を高めて」。愛される人間になれ―。個性が魅力の男性アスリートと比べてかどうかは知らないが、女性アスリートの一面の現実ということだろう

▼高田短期大学での女性アスリートのセカンドキャリアを考えるシンポジウム。講演した日本体育大学体育学部の杉田正明教授も「現役のうちに人としてのキャリアとアスリートとしてのキャリアの両方を考えることが大事」。「女性は」ということである

▼女性の競技種目や人数がどんどん増えている。男性社会に挑んだ女性の先駆者がどの業界でも超人的活躍で道を切り開いてきた。スポーツが今そのトバ口で、シンクロナイズドスイミングの五輪メダリスト武田美保さんも「結婚や出産をしても競技を続ける選択肢があることを、トップや業界が発信するべき」と提案したが、夫で県トップの鈴木英敬知事は「スポーツイヤー2年目」などとネーミングはスマートだが、視線はもっぱら競技力向上

▼少子化施策ではイクメン知事の異名、女性の理解者だが、スポーツ施策では女性の結婚、出産、育児問題への対策は聞いたことがない。10、20代の女性アスリートに競技レベルを問わず無月経、骨粗しょう症など健康被害が4割。第二のキャリアどころか、その後の生活への深刻な影響が懸念されていることにも関心がないようだ

▼スポーツイヤーは国体で天皇杯を獲得するためで県民の健康を守るためにあらず―。43年前に戻った心地がする。