2017年12月13日(水)

▼廣耕太郎副委員長が「まずダイバーシティの考え方が理解されていない。認知と理解に重きを置いてほしい」と要請したのに対し、舘直人委員が「『ダイバーシティとはなんぞや』と言っていては、前に進まない。『分かりにくい』ということを意見するのではなく、推進するにはどうするかということを考えなければ」

▼県議会常任委員会で県が公表した「ダイバーシティみえ推進方針」の審議。百家争鳴。議論がかみ合っていない気がするのは、2人が同じ会派「新政みえ」に所属することもあってか

▼一般質問でLGBTなど性的マイノリティーについて、井戸畑真之環境生活部長は県人権施策基本方針に基づいて取り組んでいるとし「多様性を尊重するダイバーシティの考え方の中で、県民の共感が深まるように啓発する」

▼人権方針の中で性的マイノリティーは同和問題、子ども、障害者など個別の人権9テーマの最後に「さまざまな人権課題」として取り上げられ、比重はそう高くない。マイノリティーや女性の積極的な採用など、差別ない処遇を実現するために広がったダイバーシティの概念が女性活躍とLGBTブームの中で、国の取り組みとともに「推進方針」に結実したものとみえる

▼人権基本方針の前回改定(平成18年)で、県は当事者団体らの強い反対を押し切ってバリアフリーからユニーバーサルデザインの考え方へ方針変更した。「国がカジをきった以上、合わせなければもたない」というのが理由。2つの言葉の浸透度を見れば変更は今も疑問だが、再び大風呂敷を広げた気がしなくもない。