2017年11月27日(月)

▼所変われば品変わる。物の見方もそういうものに違いない。三菱マテリアル四日市工場の爆発事故で、県警は当時の工場長らを業務上過失致死傷の疑いで書類送検する方針という。5人死亡、13人重軽傷の大惨事だが、あれから4年だ。何とまあ、のんびりした捜査かというのが正直な感想だった

▼三菱マテリアルの子会社の検査データ改ざんが発覚したのは、その翌日。日産、スバル、神戸製鋼に続いて、三菱マテリアルよ、お前もか。ものづくり日本にとって深刻な事態だが、東洋ゴム工業、東芝などを含め不祥事の連続で衝撃度は薄れてくる。爆発した熱交換器の洗浄作業はマニュアルもなく、勘でやっていたとされた。相変わらずのずさんな企業体質だ

▼竹内章社長が記者会見で陳謝したのがその翌日。不正を把握して8カ月以上になるというのに原因については「把握していない」「弁護士が入った調査委員会にお願いする」などの一点張り。一切説明しようとしないと聞いて、県警の4年間が頭をよぎった。なるほど難航したに違いない

▼爆発事故は東大名誉教授をトップにした第三者委員会が報告している。熱交換器にたまった物質が加水分解で爆発感度の高い物質になった。その生成過程への知識がないため事故は起こり、爆発の想定は難しかったと結論づけている。しかし県警は過去複数の事故や火災が発生しており、爆発可能性を予見していたと見ているらしい

▼弁護士が入った第三者委員会が企業の意向で都合のいい報告をまとめるケースはいくらでもある。県警の努力を多としたい気になってきた。