2017年9月7日(木)

▼財政的援助団体などに対し県監査委員が今年3月公表した昨年度監査結果について6月末現在、改善、見直しを求めた87件のうち63件(72・4%)が「概ね対応済み」だった。もともと会計事務や事務の執行状況の監査で「概ね適正」だったのだから、わずか三カ月でほとんど対応できるということだろう

▼「検討予定」「取り組んでいない」の報告はなかった。めでたしめでたしだが、県立総合医療センターの監査では地方独立行政法人化後初の赤字で「経営の健全化」が求められ、中期計画が現実離れが指摘されている。改善や検討に「着手」しても、だからどうなるというものでもあるまい

▼補助対象人員などの誤りで余分に受け取った補助金の返還を求められたのが一団体だけ。返還済みで、所管した健康福祉部は再発防止へチェック体制を強化したそうだが、同部所管の別の団体が前年度も同じ補助金の返還を求められている

▼一般競争入札を義務づけず施設整備補助金を交付したり、決定前に口頭で事前着手を認めていたとの指摘も。改善しましたの報告で「概ね対応」と判断していいものかどうか。そもそも補助金等交付団体の実績報告書などは、所管部が指導し、修正を求めるなどして受理している。両者は一心同体。手心とかなれ合いの疑いさえ浮かんでくる

▼「概ね対応済み」「検討予定」「改善・検討に着手」「取り組んでいない」などの基準で監査結果への取り組み状況が評価できると考えているとしたら、監査委員は「重箱の隅をつつくようなことばかりする」という職員の嘲笑は変わるまい。