2017年9月2日(土)

▼県庁所在地・津市の日照時間は全国平均を上回って第五位、年平均風速も早く、太陽光発電、風力発電に適した地域特性―。平成24年のエネルギービジョンに沿って、そう国などへもアピール。予定以上の成果を上げて昨年改定し、関連条例や基金を整備してきた

▼一年後のこの7月。自然環境と調和をとる太陽光発電施設設置へのガイドラインを出した。住民の安全、安心な県民の暮らしとの摩擦が表面化したということである。いけいけで旗を振って影の部分から反撃される。四日市公害以来、県の伝統的な歩みが、また繰り返されたということか

▼風力発電開発に伴う環境影響評価法に基づく知事意見も、新エネビジョンから抜け落ちた自然環境との調和が色濃く反映された。今年2月の松阪市で計画される事業への意見では、昨年1月の同事業にはなかった地元住民の不安に言及。「その他」の項目として、風力発電の二酸化炭素削減効果だけでなく「森林の伐採による二酸化炭素の吸収効果の減少」も記載するよう求めた

▼そして今回。布引山地風力発電については「自然環境を犠牲にしても実施する必要性がある」。かつてこの事業者の青山高原での40基増設計画にすんなりゴーサインを出した知事と同じ人物とは思えない

▼太陽光ガイドラインでの業者の手間とコスト増に鈴木英敬知事は「大変申し訳ない」。朝令暮改になったことへの謝意か

▼自治体としての苦衷を語り、住民から信頼されてこそ「儲け」は持続するとも。これまでの業者との差を気にするのは「悪しき平等」ということかもしれない。