2017年7月31日(月)

▼市消防本部のはしご車をネットオークションに出品する名張市の契約管財室が「できるだけ高値で落札してもらいたい」。誰にかは気にならないか。消防救助室は「市にとって初のはしご車で隊員らの愛着も大きかった。新たな活躍に期待したい」。どんな活躍を想定しているか

▼一般公用車は平成22年度からヤフオクに出品してきたが、消防車は廃車にしたり、業者に売却してきた。ひと目で緊急車両と分かる赤色である。一般車両は道を譲るし、路肩を走っても誰も変に思わない。だから暴力団などの参加を排除した登録業者の入札という形を選択してきたのではなかったか

▼ヤフオクなどない12年、廃車処分した消防ポンプ車を入手した右翼団体がプーチン・ロシア大統領来日の抗議行動に利用し、消防車と誤認した警視庁が同大使館まで侵入を許した

▼緊急テロ対策を突破されるとして、国は装備撤去など廃車の条件を全国に通知したが、その後も右翼団体の利用や装備車両のネット出品などの騒ぎがあった。今でも「消防車!走行少なく!直ぐ乗れます!パトライト!投光器付き」の宣伝文句で出品されている

▼かつては海外での再利用が中心だったが、最近は国内でマニアらに人気らしい。菰野町の成功で、ネットで売っていいのかと名張市の横並び意識がかま首をもたげたか

▼悪用防止のためパトカーの売却は厳禁。消防車はそれに準じようが、特に厳禁と定めなくても適切な運用を役人は心がけてきた。今は倫理より金。役人の一挙手一投足に細かくルールを定めなければ国民は油断できぬ時代である。