2017年7月13日(木)

▼みえ森と緑の県民税(森林税)評価委員会で個人の庭の枯れたマツを伐採した鈴鹿市の事業に「説明が必要」と委員から指摘され、担当者が「間伐も市民の森林で実施している点を考えれば妥当」。あまりに木で鼻をくくってはいないか

▼誤っていないと強調するため、ことさら身構えたのかもしれない。指摘には伏線がある気もするからだ。鈴鹿市は昨年度、森林税を使った森林環境教育に保育園への木製おもちゃの導入を計画しながら返上した。理由はマツクイムシ対策予算が増加し、おもちゃの予算確保が難しくなったこと。だからマツに回ったかという疑問は当然出てくる

▼鈴鹿市はまた、森林環境教育として学校横の個人の森を森林税で手入れしているが、地主は不動産としてしか価値を考えておらず、主導した自治会も暗くて危険だからという理由。整備された広場は森林環境教育というより、教師らに学校教育で活用してもらおうと自治会が予算獲得に一肌脱いだ可能性を、森林税担当の四日市森林・林業室長が報告している

▼地主の負担ゼロで税で個人の土地を整備していいかは、個別のケースごと評価委で問題になる。県民に説明できるかどうか、委員は悩みながら評価しているからだ。森林税の県民周知度は三割。市町も理解には温度差があり、地域振興券に使ったり、活用法を広報で募集している市もある。予算ありきではないかと、委員会で疑問視される事業は多い

▼私有地への投下が認められる特別の税だからこそ、適用は一律ではなく、疑問を一つ一つ丁寧につぶしていくチェックが必要である。