2017年6月10日(土)

▼県議会の選挙区調査特別委員会で、自民党の津田健児委員が「正副委員長案を特別委の中間案として位置付けることについては会派内で議論はしていない」。三谷哲央委員長が次回に態度を明確にするよう促したのに対し、同じ自民党の西場信行委員が「判断は委員に委ねられている。一つ一つ会派に持ち帰らず、ここで決めるべき」

▼自民党の混迷ぶりがうかがえる。委員に委ねられているのなら正副委員長案の賛否を表明してもよさそうなものだが、そうはいかないのが事情というものなのだろう。その事情への見方を巡って、津田委員の慎重論が出て、西場委員の強硬論が出る

▼それでは強硬論の西場委員は、特別委の中間案への〝昇格〟にどう対応したか。三谷委員長が「自民党の判断を聞いた上で決めたい」と採決を見送ったのは、その見極めがつかないからでもあるのではないか

▼何しろ、各会派の提案は、現行条例から二増の定数四七が最大。正副委員長案をまとめる段階で四増の四九となった。理由が、最大会派の新政みえと第二会派の自民党の案を調整の軸としたためとされている

▼しかも多気郡と度会郡で、合区とした新政みえ案を引っ込め、自民案の定数増を採用。鳥羽志摩地域の合区解消案も受け入れ、実質自民案を丸のみした。県民の心証が怖い定数増を圧倒的多数で可決したいのに、肝心の自民党に逃げられては元も子もない

▼四増が自民党も最大の異論なのではないか。主導したくない自民党と、そうはさせじという新政みえとの心理戦が、委員会審議を分かりにくくしているのかもしれない。