2017年6月8日(木)

▼製菓大手の明治がスナック菓子「カール」の販売を県内で中止することに、鈴木英敬知事が「大変残念。小学校の時、ほかのスナック菓子はそれほどなかった。お茶の間に不可欠。カールのCMを歌えない人やカールおじさんの似顔絵を書けない人はいないと思う」。どちらもできない一人としては、わが常識のため遺憾だった

▼明治でも、先の菓子博の「お菓子にぎわい夢横丁」のブース「明治チョコレート工場」に展示した品ならCMソングとともに知っている。進駐軍の車を追いかけてチョコレートをもらった記憶と重なる。高級感があり、複雑な思いで見ていた

▼茶菓子は、せんべい。来客の時、しけっていないのを母が確認して出した。あらたまった客には和菓子。間食の習慣がなく、「三時のおやつは文明堂」のCMも、どこか高級な文化的家庭を連想し、憧れをもって聞いた

▼菓子に執着がないのはそんな少年期のせいかと、知事のカールの話で思った。かぎっ子だったと語っていた記憶がある。カールのCMソングは、知事の誕生した昭和四十九年に開始。成長とともに売り上げを伸ばしていく。安価で手軽なおやつとして、知事の少年期に寄り添っていたのかもしれない

▼平成二年ごろの百九十億円ほどをピークに売り上げは下降し、昨年度は六十億円ほど。若者がテレビ離れしスマホでの情報入手が主で、食事も個食でスマホを離さないという。ながら食いは味覚への関心を薄れさせるという説がある

▼そんな時代の変遷とカール販売中止は関係があるのかどうか。知事の執着にしばし思いを膨らませた。