2017年5月18日(木)

▼秋篠宮家の長女、眞子さまが婚約されるという明るいニュースが一斉に報道された。「わかった」あるいは「関係者への取材で分かった」と

▼報道が一斉になったのはたまたまで結果論という格好だが昨日今日、マスコミ界で入ったわけではなしと思いつつ、なるほど「ポスト真実」、客観的事実よりも感情的な訴えかけが信用される状況とはこんな時かと思った

▼もっともらしいフェイクニュースを信じてしまうかもしれない。なにしろ皇太子のお相手報道は美智子皇后、雅子さまとも、海外メディアがスクープした。過熱報道を懸念する宮内庁の求めで主立ったマスコミが報道自粛の「協定」を結んだためだ。海外メディアの活躍を黙って見ていた格好である

▼天皇陛下が退位の意向をもたれているというスクープがなぜNHKだったかと盛んに論じられた。みんな「ポスト真実」状態だったのではないか。「お言葉」のビデオメッセージまでの三カ月間、「他のメディアは何をやっているのか」というのはノンフィクション作家の保阪正康さん。すべての報道がNHKの域を出ず、NHK主導で世論が形成されていく。そんなことが「いいのか悪いのか」と

▼退位特別法案は国会審議が始まるが、皇族減少の課題は眞子さまのご成婚でますます差し迫ってくる。女性宮家の創設に抵抗が強いというのは、自由な結婚後に名乗る姓だが圧倒的に男性側という国民の意識を反映してもいるのだろう

▼輝く女性を政策の柱にして人気の安倍晋三首相が「女系天皇」に慎重の筆頭という。建前と本音が一致しないのが世の常である。