大観小観 2018年11月24日(土)

▼任期満了(来年4月20日)まで半年を切ったのに議会定例月会議冒頭に次期知事選への態度を明らかにしなかったことについて、鈴木英敬知事は記者会見で「(自身の給料削減条例案を出すタイミングで)進退について述べるのはどうかなと個人的に思った」

▼なるほどとポンと膝を打つ県民もいようが、何、個人的な思いを公的手続きに優先させたのかと首をかしげる向きもいなくはあるまい。議会への対応を持ち出されては、そうとでも言わなければ議会との関係でややこしくなってもかなうまいと、斜に構えた見方も

▼10月の報道機関と県3役との懇親会で、冒頭あいさつした知事が率直な意見交換を呼びかけながら「任期のことだけは答えません」と言ったことは以前書いた。7月の時は歴代知事の態度表明が12月議会だったと語ったことも。すべて承知した上での慣例破りだったことは否めない。県最高権力者の去就に観測、臆測が飛び交うのは当然

▼障害者雇用率問題での給与削減条例案提出日と一致するから冒頭の進退表明を避けて同条例案が可決成立する最終日を選択したというのでは、万人の胸にストンと落ちる理由にはなるまい

▼公選2代目知事の田中覚は国政進出、3代目の田川亮三は体調不良で任期を2年余残し退任表明をした。低投票率に悩んだ田川は退任時期を県議選と合わせる4月を選択した。退任表明には任期中の思いがにじむ

▼北川正恭、野呂昭彦両氏も例外ではない。鈴木知事の説明通りタイミングの問題だとしたら、それほど思いが結実した選択とは言えないかもしれないのだが。