2018年11月23日(金)

▼機先を制するか、待望論を膨らませるか―自らの講義で気分が高揚して思わず言ってしまって話題になったが、立候補者が表明の時期で考えるのはどちらかだろう。知事選の場合、新人同士のケースだが、先に出馬表明した方が敗れるという県ならではのジンクスもある

▼現職を相手にする新人などは、地番固めなどで先に名乗りを上げるが、平成元年の参院選では、公示直前に出馬表明した井上哲夫氏が現職を打ち破っている。野呂昭彦前知事の知事選初出馬の時も、ぎりぎりまで態度を明確にせず、出馬表明した時はすでに勝負ありの感があった

▼現職が不出馬宣言する時はどうか。再選、3選出馬表明と同じ議会がその舞台だが、時期も出馬表明と同様12月議会開会日。すなわち11月末になる。田川亮三元知事の時は任期途中の表明で意表を突かれたし、北川正恭氏の場合はまさかの3選不出馬で、その当日の朝刊で全国紙一紙と通信社一社が「3選出馬」の予告を報じるおまけがついた

▼鈴木英敬知事が再選出馬表明をしたのは平成26年11月21日の議会冒頭。3選への態度が注目される中、今回は冒頭の意思表明を見送った。むろん肩すかしのちゃめっ気を発揮したわけではあるまい。本紙は質疑の中での表明に否定的で、議会最終日を有力視している。なぜ冒頭から最終日に移したか

▼前元の3知事とも、県政継続のため、直前に少数幹部には意向を伝えていたといわれるが、その形跡は聞かない。これまで通り、秘密が厳守されているのか、遅らせる理由があることも含め、緊張の30日間である。