─1人1人の髪質・肌質改善を目指す─ 美容室「浪岡 本気の美肌・美髪サロン」代表 浪岡栄千子さん

【「ヘアケア技術に誇りと使命感を持って施術していきたいです」と話す浪岡さん=鈴鹿市西條町で】

長年勤めた美容室から独立し、鈴鹿市西條町で平成24年に「美容室YOKA―YOKA」を開業した。令和元年に完全予約制に移行し、店名を「浪岡 本気の美肌・美髪サロン」と改めた。髪と肌の悩みを抱える1人1人とともに髪質・肌質改善を目指している。

独立のきっかけは、勤務めていた美容室に長年通っていた40代女性の「枝毛や切れ毛が多く、髪を伸ばせない」という一言だった。当時、使っていたアルカリ性のパーマ液やカラリング剤では改善できないのではと考えて店を辞めた。美容商材会社の協力を得て、さまざまな商材を繰り返し試したが納得できるもの見つけられなかった。

そんな時、以前一緒に働き独立した友人から、髪が傷む原因はシャンプーにあると聞き、友人が店で使っている「バーデンスシャンプー」を紹介された。石油由来の界面活性剤が入った従来のシャンプーと異なり、酢酸アミノ酸系洗浄剤で特許を取得しており、低刺激性で髪や肌に負担をかけず改善できるという。

そのシャンプーをスタッフらと繰り返し使って納得した後、枝毛と切れ毛に悩んでいた女性に勧めた。半年過ぎた頃から変化が現れ、1年後にはしっかりと実感。「枝毛も切れ毛もなくなった。髪を伸ばしてみたい」と喜びの報告があった。併せて勧めた基礎化粧品で肌環境が良くなったことで、乾燥肌も改善できたという。

髪や肌の改善過程を間近に見られたことで、商材への信頼感がより一層強まった。「美容室は、お客様をより美しくするべき場所なのに、肌本来の機能を崩すような商材を使っていたことに気づかされた。これからはお客様のために安心・安全な美の追究をしていこう」と決意。ヘアケアからスキンケアまでバーデンスの商材を取り扱う「正規取扱店」となり、お客様の髪、頭皮、肌の悩みに対応するための認定試験を受けてダイヤモンドマイスターの認定を受けた。

宮崎県小林市で農家の3人きょうだいの次女として生まれた。姉と兄とは年が離れていて、一緒に遊ぶことは少なかった。1人で近くの山で木イチゴやアケビを採って食べたり、夏は地域のプールで泳いだりしていた。中学ではバレーボール、高校ではバスケットボール部に入った。高2の時、練習中に左足に大けがを負い1カ月間の入院と、リハビリで完治まで4カ月かかった。選手に復帰はできなかったが、マネジャーとして仲間を支えた。

高校卒業後は、専門学校で何か手に職をつけたいと思っていたが両親に反対され、親の知り合いの紹介で四日市市楠町の「東洋紡績(現東洋紡)」に就職した。夢を諦められず、交代勤務の時間に合わせて津市の旭理容美容専門学校に通い始めた。仕事と勉強の両立は厳しかったが2年間休まず通学し、修了後は仕事と美容室でのインターンをかけ持ちして念願だった美容師免許を取得した。

結婚を機に、3年間務めた「東洋紡績」を退職。美容室で働きながら、子育てと家事をこなした。運送業で留守が多かった夫靖さん(59)と家族皆で食卓を囲むことは少なかったが、給料日には子どもたちが好きなお店で食事をするのが楽しみだった。

子どもたちが独立し、夫と愛猫のしゅんとなみとの生活。夕食を一緒に食べる機会が増え、休日は2人でランチに出かける事も多くなった。「しゅんとなみが話題を広げ、夫婦げんかの仲裁役も務めてくれます。定年後は2人と2匹であちこちに行こうと計画し、注文したキャンピングカーがそろそろ届く頃です」と話す。

「遠方に引っ越しても通ってくれるお客さま、口コミで来店されるお客さまが改善を実感し、喜んでくださる声が何よりの励みです。髪や肌の悩みを持つ方々が『最後にたどり着くサロン』として、ヘアケアとスキンケア技術に誇りと使命感を持って施術していきたいです」と語った。

略歴: <略歴>昭和41年宮崎県生まれ。同59年「東洋紡績」入社。同61年旭理容美容専門学校卒業。同63年美容室「ホワイトブロー」入店。平成24年「美容室YOKA YOKA」創業。同28年「日本ヘアケアマイスター協会」ヘアケアマイスター認定。同30年「モアコスメティックス」(株)ダイヤモンドマイスター認定。令和元年「「浪岡 本気の美肌・美髪サロン」店名変更。