逆境はビッグチャンス 農家1軒ずつ訪問、地道に営業 フローラ代表取締役 川瀬善業さん

「人がだめと思ったことが、絶好のチャンスになる」と話す川瀬代表取締役=四日市市馳出町のフローラで

 四日市市馳出町に本社を置くフローラは、天然植物活力液「HB―101」をはじめ農業資材▽家畜・ペット飼料▽生活用品▽化粧品▽健康食品―の研究開発と製造販売をしている。

 「子どもの頃から大柄で、高校生の時には身長が185㌢あった」という。活発なタイプで、体を動かすことが好き。小学生の時にはよく教室で相撲をとって遊んでいた。「朝潮が憧れの存在だった。相撲は小さい力士が大きい力士を技で倒すところが面白い」と語る。正義感が強く、常に学級委員を務め、人望の厚いリーダー的存在だった。

 林業を営む両親のもと、自然豊かな環境で育ち、子どもの頃から植物に愛着があった。環境を守りたい思いが強くなり、小学4年生の時に「農薬に代わるものを作ろう」と級友たちと研究を始め、現在の主力商品の一つ「HB―101」の原型を開発した。大学卒業後も一人で粘り強く試行錯誤を重ね、29歳の時に商品化した。「『100%天然で安全』という子どもの時からの信念は今でも貫いている」と力強く話す。

 「HB―101」は、植物を活性化させる天然の栄養液で、スギやヒノキ、マツ、オオバコのエキスを特殊な技術で抽出精製している。商品名は「HAPPY」と「BIO」それぞれの頭文字と、「バイオ技術で世の中を100%以上幸せにしたい」との思いから名付けた。

 販売当初は世間での認知度も低く、苦労も多かった。農家を1軒ずつ訪問し、効果を実感してもらう営業をこつこつ続け、体験談を毎月発行することで、顧客を増やしていった。現在は、世界50カ国以上で販売している。

 「人が駄目と思ったことが、絶好のチャンスになる」が信条で、逆境も困難とは思わない。「再起不能で打ちひしがれてしまう時ほど、自分を奮い立たせると、百発百中、ビッグチャンスになる」と話す。「松下幸之助の『成功の秘けつは成功するまで続けること』は、正解だという実感がある」

 健康管理にも気を使い、若い頃から玄米と野菜中心の食生活を続けている。「今年、検査で血管年齢が28歳だった」とうれしそうに話す。

 「まだまだ志半ば。仕事はいつも使命感に満ち満ちてやっている。これからも全力で取り組みたい」と意欲を燃やす。

略歴:昭和24年生まれ。いなべ市出身。同51年フローラ創業。