三重県内15の労働組合で組織するエネルギー問題三重県研究会(葛山真由美代表)は28日、津市羽所町のアスト津でエネルギー講演会を開いた。会員約百人が参加し、三重大学の朴恵淑特命副学長が「気候危機・地政学リスクに伴うエネルギー危機」をテーマに講演した。
朴特命副学長は「これまでは人間優位な支配的な『エゴ』な考え方があったが、すべての生き物と良好な関係を結ぶ『エコ』な考えが大切」と生物と共生する重要性を強調。
昭和47年にスウェーデンのストックホルムで行われた国連人間環境会議から昨年11月エジプトのシャルムエルシェイクで開催された気候変動枠組条約締約国会議(COP27)までの地球温暖化対策に関する議論を紹介。COP27について「成果がない成功」とし、「発展途上国に先進国がどれだけ支援をするかという『損失と被害』を継続して議論していくことを確認しただけでも価値がある」と評価した。
環境問題の解決に向け、「人と自然の調和を図れる地域に根ざし、世界に通用する『グローカル環境人材』の育成が鍵」と話した。