▼「今の教育長は大変だなあ」と県教育長経験者が言った。「知事が教育行政に介入と言わないまでも、関与してくる。自分らのころは知事など全く気にしなくてよかった」。首長権限を強化する改正地方教育行政法が成立した平成26年以降のことである
▼太平楽の教育界に突然黒船現る、といったところか。県立高2男子自殺で県教委が学校の「いじめなし」の調査を覆し「重大事態」と認定して諮問機関「いじめ対策審議会」開催を発表したのが18日。2日後の20日、一見勝之知事が、生徒側のいじめ申告から県教委の調査開始まで1年かかったのはけしからんと、県の諮問機関「いじめ調査委員会」の始動を発表した
▼令和元年の申告で、不登校になり同年12月転校したが、学校側は「進路変更のため」と捉え続け、重大事態認定が翌年5月となった。ほかにも自殺や転校事案で訴訟に発展しているケースもある
▼それにしても、県教委の「いじめ対策審」と県の「いじめ調査委」。どちらも、いじめ防止対策推進法を根拠とし、上下は明確でないから分かりにくい。23日の日曜日はいじめ対策審が「県立高生死亡事案」、翌24日はいじめ調査委が「県立高不登校事案」調査。意識せざるを得ない形で会議を開く
▼対策審が弁護士、精神科医、大学教授、臨床心理士、社会福祉士。調査委は子ども心身発達医療センター医長、同NPOサポートセンター事務局長、大学准教授、看護大教授、弁護士、公益財団法人反差別・人権研究所みえ事務局次長。いずれ劣らぬ専門家ががっぷり四つ。見ものである。