2020年1月28日(火)

▼本紙『まる見えリポート』の「県庁は人事の季節」の記事で、これまでにない組織のほころびが進行しているように感じたのは気のせいか。副知事の後任人事を巡る観測で、2年前に退職した石垣英一元副知事との兼ね合いがささやかれているというのがその一つ。事実はともかく「ささやかれている」だけで、人事当局は歯がみしたくならない

▼県議や各市町首長ら、地域の有力者との折り合いが、それぞれの地域に配置する職員の選考で考慮するのは当然だが、県ナンバー2の副知事人事に退職OBが影響するなど前代未聞。影響力の源泉が「国体などの資金集め」にあり「暗躍し」とある。「など」は、伊勢志摩サミットでの寄付集めの〝功績〟だろう

▼鈴木英敬知事の最大実績と、今後の最重要イベントに影を落とす気がしなくもない。もう一つは幹部の高齢化で抜てき人事などが難しくなっている原因に「天下り(再就職)先ポストの交通整理のため、定年延長などを連発してきたつけが回ってきた」ことをあげていること

▼「天下り(再就職)先ポスト」とは部次長級退職者が就く関係団体の幹部ポスト。県人事を円滑に進めるためのポストが、逆に県人事を硬直化させていることになる。定年前の県幹部の退職を促すため、かつて事務次長は先輩ら(OB)に勇退を求めてポストを空け、県人事の活性化を確保した。OBの顔色をうかがう職員ばかりになったということか

▼一掃したOBらの口利き疑惑がまたぞろ復活の土壌ができつつあるのかもしれない。不祥事の連続にもつながる問題だとすると根は深い。