2019年12月2日(月)

▼12月初日は穏やかな天気に恵まれた。津市近郊の運動公園では少年のサッカー試合が二面であり保護者らの声援に包まれた。野球場は高校生の練習試合。フットサル場は子ども教室。テニスコートは中年の男女ら。道路をはさんだ遊具の周りは親子連れが歓声を上げていた

▼小学校低学年とおぼしき児童らがサッカー観戦の傍らボール遊びを楽しんでいた。腰の入った見事なキックをする。児童の周りをさらに幼い子が追いかける。その子らのボールを、今度は母親らしき女性が奪いにかかる。逃げる子もなかなかだが、追う女性も巧み。サッカー人気を得心させる

▼県の運動施策は競技力向上から県民総参加の健康重視のレクリエーション活動に移り、国体開催とともに再びトップアスリートに向けられた。関係あるのか、ないのか。近くのベンチに座り、ぼんやり考えながら楽しげな様子を見ていた

▼横の立木は葉を落とし、カッカッと枝をつついていた小鳥の影はもうない。モミジの紅葉は日のよく当たる数本で、日陰の木は緑を濃く残し、赤紫も。落葉樹、常緑樹が多く、紅葉狩りなどの景観とは縁のないありふれた雑木林だが、これも自然の断面で心地よい

▼一年は古くは11月までで、師走は終わりの一定期間を指した名という説がある。四季果てる月ということだが、師僧が仏事で走り回るというのも、浮世の習いとして捨てがたい。親子月という呼び名もあったそうだ。由来は分からぬが、親子そろって迎える月というなら今に通じる、通じさせたいと言えようか。師走へ、つかの間のひとときではあった。