
【津】桑名市の立体造形作家で1月に逝去した山本莞二さん=享年(88)=の小品展が7日、津市中央の三重画廊で始まった。真ちゅうを使ってさまざまな光を表現した37点を展示販売している。11日まで。
山本さんは松阪市出身で三重大学卒。愛知県で美術教師をしながら自身の制作を続けモダンアート協会で活躍、作品は箱根彫刻の森などに収蔵されている。一昨年9月に圧迫骨折した後入退院をしながら制作意欲を持ち続けたが、今年1月誤嚥(ごえん)性肺炎で亡くなった。
生前から作家仲間の鈴木律子さん=鈴鹿市=らが実行委員会をつくり、今展と8月の県立美術館県民ギャラリーでの大作展を予定していた。そのため両展は遺作展と銘打たず開く。
作品タイトルは全て「光の風景」。細長い真ちゅうを等間隔に溶接し、面や点のきらめきの集積で表現したり、自在な動きを組み合わせたりさまざまな作品がある。
長女の太田亜矢子さん(61)=四日市市=と次女の佐藤玲子さん(59)=名古屋市=によると、山本さんは病床でもインターネットで材料を注文していたといい「マイペースでやりたいことをやって、多くの人が自然に支えてくださった」としのぶ。
同画廊の山本賢司さん(81)は「作ることに興味がありずっと前向きだった。こんな作家がいることを知ってもらいたい」と話した。