能の世界など、絵に 津で吉村さん画集出版記念展 三重

【作品を紹介する吉村さん=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県津市大園町の吉村純功さん(87)の画集出版記念の個展が30日、同市中央の三重画廊で始まった。この7年の作品を中心に能の世界を表現した作品など大小88点を展示販売している。5月4日まで。

吉村さんは福井県出身で金沢美術工芸大油絵科卒業。昭和36年から三重県内の公立中で教壇に立った。米寿を前に昨年画集を発行しており同所での個展は平成30年以来8回目。

絵画と並んで能への造詣が深く、大学時代から謡や小鼓、笛などを稽古し53歳で早期退職した後各地の能楽堂でシテを演じている。

「井筒」「翁」「杜若」など能の一場面を描いた油彩画、明治神宮や小田原城での薪能、桜のある寺院などを横長の構図で描いたアクリル作品が並ぶ。

吉村さんは「能の演目の土地に足を運ぶと人や建物が見えてくる。能は道楽だが道楽のおかげでこんな絵が描けている」と話した。